ランツフートの結婚式  次回は2021年

「ランツフートの結婚式」は4年に一度行われる、1475年ランツフートの公爵の息子ゲオルクとポーランド国王の娘ヘドヴィクとの結婚式を再現する 時代祭です。祭りは一ヶ月行われ、4回の日曜日にはメインイベントの花嫁行列(14:00から,出場者2300人)と騎馬試合(16:30から)が行わ れます。そのほかの日には祝祭、舞踊劇、1475年ころの音楽、夜の音楽劇、夜の営舎の生活などが行われます。

花嫁花婿は毎回18歳と19歳の出演者が市民から選ばれます。花婿は行列で馬に乗るだけでなく舞踊劇では踊り、花嫁も劇で踊るので、特訓を受けま す。行列の出演者はすべて当時の衣装を作りそれを着て出ます。絵のように美しいアルトシュタットとノイシュタットを練り歩く行列は賑やかで出演者と観客が 「ハローーー!、ハローーー!」と声を掛け合います。子供たちにはボンボンや小銭が投げられます。ちなみに花嫁花婿に選ばれると衣装をはじめ周りの人への 心づけなどで大変な出費になるので、それを覚悟で応募しなければなりません。

騎馬試合は別の会場で行われ、子供達の遊びや旗振りのあと、騎士達が登場し、最初はローランドと呼ばれる案山子を全速力で駆けてきて槍で突く競技が行われます。真ん中を突かないとローランドは回転し、手にもっている革ひもが騎馬武者をひっぱたく仕掛けになっていて、実際に昔は革ひもに鉄の玉をとりつけて練習 に使ったということです。次は吊ってある蚊取り線香のような的をやはり駆けてきて突き取る競技で、うまく取ると歓声がドッと挙がります。最後が中央の柵を挟んで両側から木製の槍を持った騎士が駆けてきて相手の胴を突く競技で す。これも1475年の結婚式の際に行われ、バイエルンの「強いクリストフ」が勝ちました。槍は3.8mあり、突けば折れて空中に飛び散ります。相手を馬 から落とすか、停めて自分が駆け抜ければ勝ちです。1997年初日には落馬が一回、馬丁が馬に倒されて怪我、槍が外れて太股に当たり怪我、馬が怖れて柵沿 いに走らなかったり逃げ帰ったりが数回、というところでした。かつては練習中からあまりにも怪我が多いのでスタントマンを使ったこともあるそうですが、そ の後はランツフートの乗馬クラブが頑張って出演しました。馬も戦闘の訓練など受けていないので、怖がらずに走る馬を集めるのが大変とのことです。ミュンヘンの新市庁舎のからくり人形に出てくる騎士のうち負けてバタリとのけぞるのはポーランドの侯爵、勝ったのがバイエルンの公爵クリストフです。

ところで実際の結婚式の際には町の人にも8日間公爵の勘定で飲み食いが振る舞われました。赤と白のワインの桶が横町に置かれ(当時ランツフートで葡萄も栽培されていました。今の地名に残っています。)、店屋は客から金を取ってはなりませんでした。

さて、その後ゲオルクとヘドヴィクの夫婦の間に生まれた2人の男の子は親に先だって亡くなり世継ぎがいなくなったためミュンヘンとの間に遺産継承戦争が起こりました。 

 動画前編(行列)  動画後編(騎馬槍試合)      (ホームに戻る)